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The seaside of Shonan

変わりゆく風景の「今」を残したい

ゆけむりと錦秋の列車旅 目次 

その1(10/31~11/1) 1日目前編 上野→青森
その2(11/1)       1日目中編 青森→八戸→久慈
その3(11/1)       1日目後編 久慈→宮古→盛岡

その4(11/2)       2日目前編 盛岡→田沢湖(乳頭温泉)
その5(11/2)       2日目後編 田沢湖→横手→ゆだ錦秋湖→新庄

その6(11/3)       3日目前編 新庄→鳴子温泉→石巻
その7(11/3)       3日目後編 石巻→気仙沼→仙台

その8(11/4)       4日目前編 仙台→松島→左沢→赤湯
その9(11/4)       4日目後編 赤湯→坂町→新津→会津若松

その10(11/5)      5日目前編 会津若松→会津若口
その11(11/5)      5日目中編 会津川口→小出
その12(11/5)      5日目後編 小出→只見→自宅

主な乗車路線:八戸線、三陸鉄道北リアス線、北上線、陸羽東線、石巻線、大船渡線、仙山線、左沢線、山形鉄道、米坂線、只見線 ほか
主な使用切符:東北ローカル線パス
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2012/11/19 Mon. 00:00 | trackback: 0 | comment: 0edit

ゆけむりと錦秋の列車旅 その12(最終回) 

11/5(月) 5日目<後編>
13時ごろ駅へと戻ってきました。

小出13:17→只見14:36
ここからは先程タクシー代行だった区間、小出~只見に乗車します。

※なお、11/18現在この列車(2424D)と折り返し(2425D)はバス代行になっているようです。車両故障による措置で、復旧時期は未定とのこと。ご利用の際はご注意を。 ←11/22に復旧したようです
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車両は新潟色の2両編成。新津からの借入車両です。

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この時はちょうど紅葉の最盛期ということで、車内には観光車掌「だんだんど~も」の方が乗車されていました。この先、車窓の見所等を随時車内アナウンスしてくれます。
「写真撮らせてもらっていいですか?」と伺って、一枚撮らせていただきました。

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さらに、その観光車掌の方からこんなものが乗客に配布されました。
観光案内のパンフと共に袋に入っていたのは、何と魚沼産のコシヒカリ!(早速食べたのですが、市販の米とは全然違いました…美味しかったです^^)

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そして記念乗車証も。

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平日だからそれほど混雑しないはず…と高をくくっていたのですが、シニア層を中心に乗客は多く、どのボックスにも2~3人座っているような感じでした。紅葉の只見線の人気は伊達ではありません。
後で観光車掌の方に伺ったところ、この日の乗客は73人だったそうです(前日の日曜日は101人だったとか)。

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列車はいよいよ小出駅を発車し、只見を目指す1時間19分の旅が始まります。出発早々、車掌のアナウンスに続き、観光車掌のあいさつがありました。
只見線は上越線と分かれ、魚野川を渡って小出の街を離れていきます。奥に見える雪山は「越後三山」で、駒ケ岳、八海山、中ノ岳(だったはず…)。

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次第に田園風景が車窓のメインになり、家も少なくなってきました。
只見線の小出~大白川は全て魚沼市に属していて、沿線は「魚沼コシヒカリ」の一大産地。先程配られたお米も、この辺りでとれたものなのでしょう。

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藪神~越後広瀬にて。この先車窓に寄り添う破間川(あぶるまがわ)を初めて渡ります。

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越後須原駅に到着。小出~大白川間の開通70周年を記念して「かかしコンテスト」が行われていたようで、駅周辺にはバラエティーに富んだ案山子がいくつも立っていました。

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上条~入広瀬で観光車掌によるアナウンスがあり、「左手に棚田が見えますので是非ご覧ください」ということで撮ったのがこちらの画像。確かこの山の奥が旧山古志村(現・長岡市)だったはず。観光車掌の方が色々と説明してくださっていたのですが、イマイチ自信がありません…。

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入広瀬駅は無人駅ながら、立派な駅舎がありました。

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続く柿ノ木駅は小さな無人駅。観光車掌の方が言うには「この駅を利用していた高校生が卒業し、今この駅を定期的に使う人はいません。いつ無くなってもおかしくない駅だと思います」。
その言葉通り、2013年3月改正限りで臨時駅に降格、全列車が通過となることが発表されました。(1/4追記)

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入広瀬駅辺りから徐々に山深くなってきました。

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そしてここが観光車掌の方一押しの撮影ポイント、「柿ノ木シェルター」。
写真では紅葉が綺麗に写っていませんが、肉眼ではもっと鮮やかで、赤いシェルターとの組み合わせが絶妙でした。

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進むにつれて紅葉の色づきも徐々に濃くなり…。

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大白川駅に到着。次の駅は終点只見ですが、この先の一区間だけで所要時間30分。六十里越に挑み、県境を越えるこの区間は只見線の中でも最も山深く、特に紅葉が美しいことで知られる場所です。以下、その車窓をご覧ください。
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いずれも大白川~只見にて。破間川を渡る度に車内のあちこちから歓声が聞こえ、乗客の皆さんもその絶景を堪能していたようでした。

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やがて列車は長いトンネルに入ります。全長6359mを誇る六十里越トンネルです。
このトンネル内に県境があり、そこに向けてはずっと登り坂。そのため列車はエンジンを唸らせてのんびりと走っていきますが、県境を越えるとエンジン音が無くなり、軽やかに坂を下りていきます。県境が峠の頂上でもあり、只見線の最高地点でもあるのです。

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そしてトンネルを抜けると、紅葉の向こうに守門岳を望む美しい景色が!ここも観光車掌の方おススメのポイントで、徐行サービスも行われました。

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また、その先の田子倉駅付近では右手に田子倉湖が見えます。
でも今は水量が少なくて今一つ…。

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その後もう一つ長いトンネル(田子倉トンネル)を超えると、やがて視界が拓けて只見の街が見えてきました。終点は間もなくです。
観光車掌の方が乗客に向けて礼を述べると、どこからともなく拍手が起こり、車内は和やかなムードに包まれました。

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こうして、5時間ぶりに只見に戻ってきました(笑

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折り返しまで1時間あるので、少し街を散策。
他の乗客も殆どが小出に折り返すようで、駅と街は只見線の乗客で賑わっていました。さしずめ「只見線往復ツアー」といった感じでしょうか。

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私はそんな「ツアー客」達から離れたかったので(笑)、駅から5分ちょっと歩いて只見川へ。しばらくここでのんびりし、15時過ぎに駅へと戻りました。

駅に戻った後は、駅前で休んでらっしゃった「だんだんど~も」の方と少しお話。
「去年の水害では只見駅周辺も冠水して、只見駅は陸の孤島になったと聞いています。それ以来人口も減り続けていて、今年ついに5000人を切ってしまったんですよ」
「只見線はね、観光路線じゃなくて何より生活路線なんです。只見から眼科に行くために小出に行く人もいる。只見の高校に通う生徒も20人弱いる。だから、会津川口~只見も早く復旧させてほしいというのが地元の方の願いなんです。」
「大白川~只見が復旧したのは新潟県知事の強い意向があったからなんです。景色が良いから、廃止にするわけにはいかないって。」
などなど、地元に関するお話を色々と伺いました。
私からもいくつか質問させていただきましたが、中でも気になるのは、やはり会津川口~只見がどうなるかということ。「さっきバスから見た限り、復旧は進んでいないみたいですが、実際復旧は進んでいるんですか?」と尋ねると、観光車掌の方は手で小さく「×」を作られ、続いて一枚のポスターを指さしました。

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「署名を集めたりはしてるんですが、何しろお金がかかりますからね…。なかなか難しいみたいです。」

その後近くにいた中年女性に声をかけられ、また少し会話。その方には「苗場にあるゴンドラが最高だから是非行ってみて!」と、強く勧められ、最後に「私は地元だから、このお米良かったら持って帰って」と、先程配られた魚沼産のコシヒカリを頂きました。1袋300gなので、これで600g。リュックは重くなりますが(笑)、心遣いがありがたかったです。

只見15:42→小出16:57
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案の定殆どの乗客が小出に折り返すため、帰りの列車も混んでいました。
帰りはあまり写真はとらず、車窓を眺めるのに専念。最後まで只見線を味わい尽くしました。

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こうして、結局1日がかりとなった只見線の旅も終り。只見~小出は殆ど「観光列車」だったため落ち着いて「列車旅」を楽しむことはできませんでしたが、観光車掌さんによる説明や撮影ポイントでの徐行、記念品配布など、「観光列車」ならではのサービスもあって、すっかり只見線を満喫できたと思います。何より、列車内から見る紅葉は他路線の比にならないほど素晴らしいものでした。
水害による一部区間の不通に加え、沿線の過疎化、さらにはこの度発表された田子倉駅の廃止など、今厳しい状況に立たされている只見線。しかし、地元の方にも必要とされ、観光客を取り込む魅力の詰まった路線であることには違いありません。一日も早く全線が元通りになることを願っています。

小出17:06→浦佐17:14

浦佐17:21→東京19:00
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最後まで鈍行で帰る予定でしたが…さすがに気力が持たず、新幹線を使って一気に帰京。上越新幹線は初乗車だったので、乗り潰しという点ではちょうど良かったかもしれませんが、余計な出費をしてしまった点は反省しています…。

結局、家に着いたのは20時半頃のこと。また一つ、旅が終わりました。

<あとがき>
今回も沢山の人に出会い、頬杖をついて錦秋の美しい車窓を堪能し、5日間で6つの温泉に浸かって、しっかり美味しいものを食べて、旅の醍醐味を存分に楽しんだ良い旅でした。しかしその一方で、津波や水害のツメ跡を目の当たりにしたり、地元の方に直接話を伺う中で感じるものが多々あったことも事実。ただ「楽しい」だけの旅に終わらなかったのは、ある意味自分が成長した証でもあるのかもしれません。
今回も盛大に散財してしまったので次にいつ旅立てるかは分かりませんが、残り4が月半となった大学生活に悔いを残さないためにも、今後も”隙あらば”日本各地へ足跡を刻みたいと思っています。

いつも通り終わり方が雑になってしまい恐縮ですが、最後まで御覧頂きありがとうございました。
(もし今回の旅行記を「良かった」と思ってくださる方がいらっしゃいましたら、お手数ですが「拍手」ボタンを押していただければ幸いです。
押しつけがましくてすみません。。)


※今回の乗車分も乗車記録に反映しました※
2012/11/18 Sun. 22:50 | trackback: 0 | comment: 0edit

ゆけむりと錦秋の列車旅 その11 

11/5(月) 5日目<中編>
会津川口8:15→只見9:05(代行バス)
会津川口から先、只見までは今も不通の区間。なので、代行バスに乗り換えて只見へ向かいます。
バスの運転手さんは女性でしたが、私のカメラを見るなり「もし写真撮られるなら、走行中も座席移動していただいて大丈夫ですよ」と気遣ってくださいました。乗客も私を含め2名だけだったので、お言葉に甘えることにします。

バスは基本的に只見線に沿って「沼田街道」を走っていきますが、その車窓に見えるのは、全く復旧が進まない只見線の惨状でした。
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まず目に入ってきたのは、右側の1スパンが完全に落ちたままの第五只見川橋梁(会津川口~本名)。
これくらいならすぐ復旧できそうに思えてしまうのですが、その前に地質調査や河川調査、地盤の補強などが必要になってくるでしょうし、何よりお金の問題があるので、実際問題「ただ直す」というわけにはいかないのでしょう。

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そしてこちらは本名ダムの下流に架かっていた第六只見川橋梁(本名~会津越川)。ただただ言葉を失う、ショッキングな光景です…。
只見川水害の際、ダムの放水をもろに食らい、なすすべなく崩落したというこの橋梁。今も川にはトラス橋が放置されたままで、無残な姿を晒しています。
この光景を見た時、只見線の全線開通が難しい状況にあるということを感じさせられました。

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その後もあちこちに水害の跡が…。これはおそらく道路に架かっていた橋なのでしょう。

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こちらも多分道路に架かっていた橋が落ちたところ。復旧に向けた作業が行われていました。
このように、鉄道とは対照的に道路の復旧は進んでいるのですが…。

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つたに覆われた線路と信号機(?)。
もう雰囲気としては「廃線」のそれになりつつあります。

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会津塩沢~会津蒲生に架かる第八只見川橋梁。「渡らずの橋」として有名なこの橋は殆ど原型を留めていました。撮影地としても名高いそうですが、列車からも只見川を間近に望める絶景ポイントだったのでしょう。

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見にくいと思いますが、鉄橋には水害時に流されてきたと思しき流木(?)が絡みついています。
今は水量の少ない只見川ですが、集中豪雨の際はこの鉄橋も冠水するほどまで増水したとのこと。想像がつきません…。

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鉄橋以外にも、多数の流木やえぐられた川岸など…1年3カ月経った今も川辺の至る所に水害の爪後が残されていました。一日も早く元の美しい只見川が戻ってきますように…。

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9:05、50分のバス旅を終えて只見駅に到着。
結局乗客は会津川口から乗った我々二人と地元の方二人、計四人だけでした。悲しいかな、運休している会津川口~只見は、小さな代行バスで十分間に合ってしまうほどの輸送量なのです。

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今年10月1日、大白川~只見が復旧し、再び列車がやってくるようになった只見駅。
「おかえりなさい只見線」の横断幕が泣かせます…。

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駅名標。

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その後、少し周辺を散策。駅の裏手には神社があるなど、長閑な景色が広がっています。

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只見駅の会津蒲生側にあった踏切から。
1年3カ月という年月を物語るように、線路は錆び付き、その先には雑草が繁茂していました。

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後ろを振り返ると、雪山と紅葉の山のコラボレーションが見られました。
そろそろ列車の時間なので駅へ戻ります。


次に乗る列車は9:30発の小出行き。駅に戻ったのは9:20のことでしたが、未だにホームには列車の姿がありませんでした。待合室にいた乗客も少し困り顔。どうやら列車が遅れているようです。
駅員に尋ねると「大白川の先で落ち葉が凄くて、列車が立ち往生してるんですよ。いつ動けるか全く分からなくて、5分後に動くかもしれないし、1時間かかるかもしれない。そういう状況です。」とのこと。
遅れるのは仕方ないにしても、運休になってしまうのはさすがに困る。でもとりあえず待つしかないので、待合室のベンチに腰をおろし、朝食として会津川口で買ったおにぎりを食べていました。

それから15分ほど経った頃。
慌ただしく駅員が動き始め、「運転再開か?」と思っていたのですが、その後の駅員のアナウンスは真逆の内容でした。
「次の小出行きの列車は運休になります。タクシー代行となりますので、駅前でお待ちください。」
がーん。只見線に「乗る」のがメインだったのに、タクシー代行ではどうしようもありません。いっそ次の列車まで待とうかとも思いましたが、調べてみると次の列車は何と15:42!いくらなんでも、6時間も待つのは無理です。

こうして泣く泣くタクシー(ワゴンみたいなのでした)に乗り込み、他の乗客6人と共に小出へ向かうことになりました。
そんな私の心中を察したかのように、「まあ列車からの景色も良いですが、車から見る景色の方が見ごたえがありますよ」と運転手さんの慰めの言葉。悔しいことに(?)、実際その景色は素晴らしいものでした。

只見9:45頃→小出11:05頃(代行タクシー)
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車は只見湖の脇を走り、次いで田子倉湖を眼下に望みながら「六十里越」に挑みます。
この六十里越、列車ならばトンネルで貫くことになるのですが、車は急カーブが続く山道をぐんぐん登っていくので、まさに「峠を越えてる」感じがしました。冬季はこの道路が閉鎖されてしまうため、只見線が六十里越をクリアするための唯一の交通手段となります。

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途中、田子倉駅前を通過。
「冬眠する駅」として知られる臨時駅ですが、先日JRはこの駅を廃止する意向を発表。地元は反発しているものの、利用者もほとんどいないだけに、このまま廃止されてしまうのでしょう。

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その田子倉駅からさらに5分ほど走ると、車窓にはこんな景色が!
デジカメなので色が今一つですが、実際にはもっと紅葉も鮮やかで、絶景でした。確かにこの景色は車でしか見れません。

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そんなわけでちゃっかり車からの景色も堪能して(笑)、小出駅に着いたのは11:05。予定より20分遅れです。
ここまで来たら後は自宅に向かって南下するだけ。温泉にでも寄ってゆっくり帰ろうかな…というのが当初の計画でしたが…

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往生際が悪い私は諦めきれず、次の列車で只見に向かうことに。
列車の発車時間は13:17。幸い「時刻通り運転する予定」とのことでした。

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列車の時間までまだ当分あるので、歩いて”ある場所”を目指します。

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途中にはこんなものもあり…

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なかなかの眺めでした。

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そんな感じで、楽しみながら駅から歩くこと約15分。途中でおじさんに道を尋ねたりして、辿りついたのは「見晴らしの湯 こまみ」という温泉。その名の通り、露天風呂からは小出の街と山並みが一望できる、見晴らしのいい温泉です。

平日の昼ということもあって、客は私とおじいさんの二人だけ。露天風呂でそのおじいさんと色々話したのですが、話がはずみ過ぎてのぼせそうになるほどでした…(笑
聞けば、おじいさんにはお孫さんがいて、それも私と同じく大学四年生とのこと。会話の内容はそのお孫さんのことから、地元・新潟の話まで幅広く。私が今している旅の話をすると「そう、やっぱり鈍行の旅が一番だよね!」と相槌を打ってくださるなど、熱心に聞き入ってくださいました。本当に今回の旅は良い出会いに恵まれている気がします。

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その後は駅まで戻って、駅前の食堂で昼食に。
魚沼発祥の「へぎ蕎麦」や岩魚の定食など、お店の一押しメニューは高かったので、結局新潟とは縁もゆかりもなさそうな「味噌カツ丼」(800円)にしました。

(続く)
2012/11/17 Sat. 20:28 | trackback: 0 | comment: 2edit

ゆけむりと錦秋の列車旅 その10 

11/5(月) 5日目<前編>
ついに今回の旅も最終日を迎えました。

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この日は会津若松からスタート。ここから乗るのは…

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そう、只見線です。
只見線と言えば、鄙びた車窓と只見川の絶景で知られるローカル線の雄。実は過去2回乗る計画を立てていたものの、いずれも大雨(大雪)のために乗ることができず…。3度目の正直ということで、今回ようやく乗車が叶うこととなりました。

会津若松5:59→会津川口8:02
乗るのはやはり始発列車。キハ40の2両編成で、車内には学生を中心に1両に10人程度が乗っていました。平日、それも18切符シーズン外ということで、旅行者の姿は殆どなし。”素の只見線”を楽しめそうです。

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会津若松を出ると、しばらくは住宅の多い場所を走っていきます。
どの駅からも学生が大勢乗ってきて車内は盛況。どこの高校まで行くのか分かりませんが、ホントに朝早くから大変だなぁ…と思います。

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会津本郷の手前で阿賀川を渡河。

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西若松を過ぎると徐々に家が減り、広々とした田園風景が目立つようになります。
しかし同時に霧が濃くなり、車外の様相を伺うのが難しくなってきました。只見川と言えば川霧のイメージがありますが、この辺りも霧がでやすいのでしょうか…。

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6:35、只見線の主要駅の一つ・会津坂下(あいづばんげ)駅に到着。高校生はここで降りるのかな?と思ったのですが、一部が降りただけで、大半は車内にとどまったままでした。

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ここで会津若松行きの始発列車と交換。この列車にも次々に高校生が乗り込んでいき、車内は高校生で一杯に。
それもそのはず。次の列車は会津若松着が9時過ぎなので、この始発に乗らないと遅刻になってしまうのです…。

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会津板下駅を出ると少しずつ山深くなっていき、会津坂本付近からはいよいよ只見川に接近。

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そして会津桧原~会津西方で初めて只見川を渡ります。撮影地としても名高い第一只見川橋梁です。
只見線唯一のトラス形のアーチ橋だそうですが、もちろん車内からその姿を見ることはできません。

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会津西方を出ると、今度は第二只見川橋梁。
(酷い画像ですみません…。)

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会津西方の一つ先、会津宮下駅で再び列車交換。ここで5分停車。

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駅構内には側線のほか、草木に埋もれた転車台がありました。
いつまで使われていたのかはわかりませんが、かつての賑わいがしのばれます。

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会津宮下駅を出ると、第三只見川橋梁でまた只見川を跨ぎます。
いくつもある橋梁の中で、車内からの景色はここが一番綺麗だったと思いますが、紅葉は「もう一息」といったところでしょうか。

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その後はトンネルが続き、早戸駅に到着。
この早戸はホームから只見川が眺められる上、近くには日帰り温泉もあるので、機会があればぜひ途中下車してみたい駅の一つ。でもあまりにも列車が少ないので、今回は諦めました。。

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早戸から先もいくつかトンネルが連続しますが、その合間合間から只見川が望めます。

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会津水沼を経て、桜が有名だという会津中川駅に到着。1956年開業当時からの木造駅舎が残ります。
周囲の雰囲気も良さそうだったので、ここもいつか降りてみたいもの。

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この辺りの住居は独特な造りをしていて、特に屋根の形に意匠が感じられます。
飯山線の沿線にも似たような家が多かったのですが、やはり雪が多いからこその工夫が込められているのでしょう。

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やがて、車窓右手に只見川が迫ってきて…

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終点の会津川口に到着。
会津坂下で降りなかった高校生は全員ここまで乗車。川口の高校に通っているようです。

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ホームの向かい側にはディーゼル機関車が停まっていました。

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駅舎。JAや郵便局などとの合築になっていて、ローカル線にしては相当立派な建物です。

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会津川口駅は金山町の中心を成し、周囲には町の機能が集まっています。
駅前は車やバスの乗り入れも激しく、想像以上に賑わっている印象。「街」の中心に駅があるという、ある意味旧来の姿が残っていて少しホッとする部分もありました。(何しろ、これまで街の中心から外れた地方駅ばかり見てきたので…)
また駅舎には観光案内所が入るなど「観光地」としての一面もあり、近くには温泉などもあるようです。

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この会津川口からは代行バスで只見へ向かいます。
しかしその車窓に見えたのは、只見線の厳しい現実でした…。

(続く)
2012/11/16 Fri. 23:02 | trackback: 0 | comment: 0edit

ゆけむりと錦秋の列車旅 その9 

11/4(日) 4日目<後編>
旅4日目の後半。前回は赤湯で降りたところまででした。
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赤湯の駅舎はパラグライダーを模した独特な形になっています。
この辺りは地形上、上昇気流の起きやすく、パラグライダーも盛んなのだそう。

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しかし立派な駅舎と裏腹に人は少なく、駅前も寂しい…。
ここも街の中心から逸れているのでしょうか。一応温泉への玄関口でもあるのですが、そういった雰囲気もありません。

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そんな駅前にひときわ目立つ食堂を発見。これ見よがしに「全国B級グルメ第三位受賞」という垂れ幕が掲げられ、何故か十勝名産「ぶた丼」の幟が立っています。これは気になる。
昼食は駅弁で済ませようと思っていたのですが、せっかくなのでこのお店に入ってみることにしました。

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そして頼んだのがこちらのブタ丼とラーメンのセット(1000円)。
この豚丼の美味しいこと…。山形県でこんなおいしい豚丼を食べれるとは思っていませんでした。

でも何故赤湯で十勝名物の豚丼なのか。気になったので、食後にお店の方に伺ってみると
「北海道出身というわけではないんですが、北海道で11年ほどサラリーマンをやってまして、そこで食べた豚丼を是非山形でも食べてもらいたいと思ったんですよ。豚肉なんかは北海道から直送しています。」
とのお答え。
私が「本場より美味しかったですよ(本音)」と伝えるととても喜ばれていました。

ピアノ調律師と温泉ソムリエという異色な2人が切り盛りする「どんぐり屋」。もし赤湯で降りる機会があれば(なかなかないとは思いますが…)、おススメしたいお店です。

赤湯12:23→今泉12:44
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さて、ここからは山形鉄道のフラワー長井線で今泉を目指します。
元国鉄・JR長井線を転換した山形鉄道は赤湯~荒砥30.5kmを結ぶ路線。このうち今回は米坂線に接続する今泉駅まで12.2kmを乗ります。ここも「東北ローカル線パス」で乗車可能。

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列車は赤湯を発車。座席はパラパラと埋まっている程度で、空席が目立ちました。
区間によっては住宅が多い場所もありますが、大体田んぼ&果樹園7:住宅3…といった感じの車窓が続きます。

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2つ目の宮内は比較的大きな駅で、高校生が10人ほど乗り込んできました。
ちなみにこの宮内駅には「ウサギの駅長」がいるそうで、”駅長”「もっちぃ」と”駅員”の2羽の計3羽が在勤中とのこと。さらにはカメ(非常勤助役)までいるそうなので(笑)、機会があれば是非とも降りてみたい駅です。

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広々とした田んぼを見ながら列車に揺られ…。

今泉12:47→坂町14:26
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赤湯から20分ほどで今泉に到着。ここで米坂線に乗り換えます。
列車には何組かグループが乗っていたものの、空いていました。

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つい2か月ほど前に乗ったばかりの米坂線ですが、前回は天気がいまいちだったので、今回はリベンジの意味も込めての乗車です。その思いを汲み取ってくれたかのように、今泉を出ると太陽も顔を出してくれました。

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徐々に山に分け入っていき、

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見事な紅葉の中を走ります。

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でもこの頃になるとまた曇りがちに…。
なかなか「紅葉」×「青空」という光景が見れませんが、これも日頃の行いなのか…。

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そのまま走り続け、山形県最後の駅・小国では13分の小休止。

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角度の着いた屋根と二重扉が冬の豪雪を物語る小国駅。どっしりとした佇まいの駅舎です。

ところで「東北ローカル線パス」は東北6県内でしか使えず、新潟県に入る小国より先の区間は適用範囲外。そのためこの停車時間を使って不足分の乗車券を買ったのですが、ここで大きなミスを犯してしまいました。
というのも、新たに買い足した乗車券が2520円だったのに対し、新潟県内には「えちごワンデーパス」(1500円)というものがあって、これを使えば1000円も安く済んだのです…。
自分のリサーチ不足だったとはいえ、これは本当にショック…(>_<)

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列車交換を終えて小国を出発、県境を越えて新潟に入ります。
やはり県境というのは標高も高いようで、この辺りは紅葉が特に見事でした。画像をよく見ると、列車を撮ってるのであろうカメラマンの姿も確認できます。

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新潟に入って最初の停車駅、越後金丸。ここで交換待ちのため停車。

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その後山を抜け、関川沿いに平野を走り、定刻通りに坂町に到着。
駅舎は無骨で昭和の香りが漂う鉄筋コンクリートの2階建てです。

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駅前にこれといったものはなく、何軒かの店と住宅街が広がっています。

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駅前の道を少し歩き、国道7号線に出ました。この道路沿いには多少店もありますが、コンビニなどは見つからず。この辺りは(地図を見た限り)村上市のはずれにあたるためか、あまり賑わっていないような感じでした。
20分ほど周辺を彷徨った後、駅へ戻りました。

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この坂町駅の微妙な古臭さ、何となく好きです(笑

坂町15:21→新発田15:43
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1時間近くの待ち合わせを経て、ようやく列車が入線。
ここからは新発田を経て新津へ向かいます。

新発田15:56→新津16:24
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秋の日はつるべ落とし。
まだ16時過ぎだというのに、終点に近づく頃には大分日が低くなっていました。

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新津に到着。

ここでまた1時間以上待たなくてはいけないので、この時間を使って、歩いて10分ほどのところにある国道沿いのローソンへ。財布の中身が心もとなくなっていたので、現金を下ろすのが目的でした。
無事現金を補充して駅に引き返し、その後はホームのベンチに座ってパンを食べたりケータイを弄ったり…。

新津17:37→会津若松20:06
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本日最後のランナーは磐越西線。車両はキハE130+キハ110+キハE130の3両で、車内は部活帰りの学生で賑やかでした。
しかし彼らも徐々に降りていき…

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津川を過ぎる頃には貸し切りに。(と思ってたのですが、この時まだ女子高生が一人、座席の陰に乗っていました)

ひたすら手持無沙汰な2時間半でしたが、電波もあまりよくないのでケータイを使うにも使えず、寝るしかありませんでした。

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終点の会津若松には3分遅れで到着。

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夕食がまだだったので、駅構内の食事処で蕎麦と会津の郷土料理「こづゆ」のセットを注文。
正直駅構内のお店なのであまり期待してなかったのですが、蕎麦もこづゆも美味しかったです。

この後一旦ホテルにチェックインしてから、駅近くにある「富士の湯」で入浴。
こちらは元々はスーパー銭湯だったものの、その後温泉を掘り当て、今では「スーパー銭湯形式の温泉」が楽しめるという変わった施設。色々な湯船で温泉を満喫し、ホテルへと戻ったのでした。

今日の旅はここまでとなりますが、会津若松で泊まるということは…
もう明日どこに向かうかお分かり頂けるでしょう。
(続く)
2012/11/15 Thu. 22:48 | trackback: 0 | comment: 0edit

ゆけむりと錦秋の列車旅 その8 

11/4(日) 4日目<前編>
旅4日目。仙台市街のカプセルホテルで一晩を明かして迎えたこの日は、朝4時30分に起床。
ホテルから駅までは徒歩20分強の距離なので歩くつもりだったのですが、思いのほか時間ギリギリになってしまったので、結局タクシーを使って駅へ向かいました…。

仙台5:13→松島海岸5:51
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この日最初に向かうのは日本三景・松島。
仙石線に乗って最寄りの松島海岸駅を目指します。

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先頭車はロングシートにもボックスシートにもなるという、いわゆる2WAYシート。
私が乗った時は御覧の通りセミクロス配置になっていましたが、通勤ラッシュ時には窓に背を向けたロングシート配置に、日中はクロス配置になるのでしょう。

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松島海岸で下車。

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駅周辺には土産屋などが並び、綺麗に整備されています。さすが一大観光地です。
もちろんまだ店は開いていませんし、人も歩いていませんが、個人的にはこういう静かな観光地の方が好きだったりします。

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駅名の通り、駅のすぐそばには海。
赤みがかった空をバックに、小島がいくつも浮かぶ光景は中々幻想的でした。

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折角なので、鞄から望遠レンズを引っ張り出して一枚。
この景色が見れただけでも、わざわざ始発で松島に来た甲斐があったというものです。

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道なりに歩いていくと、国の重要文化財になっている五大堂がありました。現在の建物は1604年に建てられた、東北最古の桃山建築だそうです。
また手前に架かる橋は「すかし橋」と言い、足元の隙間からは海が見えるようになっています。これは五大堂へ行く際に足元を見て気を引き締めるためなんだとか。

五大堂の周りではラジオ体操をしている方々がいたので、邪魔をしないようにそそくさと退散。。

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駅から15分ほど歩き、福浦島の入口に到着。
日中この橋を渡るには通行料が必要ですが、夜間早朝は無料。「早起きは三文の得」という諺もあながち馬鹿に出来ません(笑

その橋を渡って福浦島を散策します。

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散策路の途中には展望所がありました。

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そこからの眺め。これぞ「松島」といった景観が広がっています。
全ての島にそれぞれ名前が付いているのですが、どの島が何と言う名前なのかはよく分かりません。随分小さな島も見えますが、あの島にも名前があるのでしょうか。

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福浦島はぐるっと歩いて30分程度の大きさ。朝の散歩にはちょうどいい距離でした。

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ちょうど帰る頃になって、雲の間から日が出てきました。
この台詞、もう何度目か分かりませんが、「どうせならもう少し早く出て欲しかった…」。

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こちらは先程渡った福浦橋。長さは252mあり、別名「出会い橋」とも。
松島町のHPによれば「素敵な出会いが訪れる橋」らしいのですが、この時は釣り人のおじさんにしか出会えず…(苦笑

さて、この後は駅に戻ります。
予定では、来た時と同じように松島海岸駅から仙石線に乗るつもりでした。でも同じ道を戻るのもつまらなかったので、近隣にある「松島駅」まで歩き、そこから東北本線に乗ることに。仙石線に比べて、東北本線の方が仙台駅での乗り換えがラク、というのも頭にありました。

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そんなわけで松島駅に到着。実は以前にも松島を訪れたことがあり、その時はこちらの松島駅からアクセスしたのですが、当時は駅から海岸までは随分遠く感じたものでした。しかし実際歩いてみると20分もかからず、思ったより早く駅に到着。一本早い電車に乗ることができました。

松島7:20→仙台7:48
仙台に戻り、今度は仙山線に乗り換えます。

仙台8:15→北山形9:25
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仙山線の快速列車、山形行き。
6両編成ながら車内は結構混んでいて、私のボックスも相席に。恰好から察するに、山寺辺りに行く人が多いようです。

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愛子駅を出ると景色は一気に変わり、ここからが仙山線の見せ場になります。
この辺りは晴れていたものの徐々に雲が増え…

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臨時駅の八ツ森を過ぎる頃にはすっかり”どんより”とした空に。
ところでこの八ツ森駅はいつまで臨時駅扱いなのでしょう…。

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仙山線は沿線の紅葉が美しいことでも知られていて、去年に続き今年もその絶景を堪能。特に面白山高原の辺りが見頃で、他の乗客も写真を撮ったり、歓声をあげたりしていました。
ちなみに仙台から乗ってた乗客の殆どは、案の定山寺で降りていきました。皆さんの目当ては紅葉狩りだったようです。

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終点の山形の一つ手前、北山形で下車。察しの良い方なら、この後どこへ向かうかお分かりでしょう(笑

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北山形の駅舎。駅前には整然と自転車が並んでいて、それなりに利用者が多いことを示しています。

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西口側にも専用の駅舎があります。元々はこちらが北山形の本駅舎だったようで(当初は左沢線の駅として造られた)、東口よりも年季が感じられました。
(手前に車が停まってたので、中途半端な構図になってしまいました…。)

北山形9:36→左沢10:14
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ここからは初めての左沢線に乗車。左沢線の起点はここ・北山形ですが、実際には全列車が山形に乗り入れているため、ホームに入ってきた列車の座席は既に半分ほど埋まっていました。

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途中の羽前山辺辺りまでは住宅街が続き、その先は田んぼと果樹園が車窓の友。

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特に左沢線の沿線には果樹園が多く、「フルーツライン」という別名が冠せられているほど。
山形と言えばサクランボやラ・フランスなどが有名ですが、今の時期はリンゴがあちこちに実っていました。

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途中には「羽前金沢」という駅があったり、「羽前長崎」「羽前高松」という駅があったり…と、わずか24.3kmの路線の中に3つも県庁所在地の名がつく駅があります。まぁ、どうでもいいのですが…(笑

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しばらくは果樹園と田んぼの景色が続き、柴橋駅を出ると大江町の街並みが見えてきました。終点は間もなく。

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そして終点の左沢に到着。左沢と書いて「あてらざわ」と読む難読地名です。
その地名の由来には諸説あるようですが、一番有力なのは「あちらの沢」が転訛したというもの。かつてこの辺りの領主だった大江氏が山に登って西の方を眺めた際、左手に見える山谷を「あちらの沢」と言ったというのです。逆に、右の沢は「こちらの沢」だそうで、もし右沢という地名があったならば「こてらざわ」などと呼ばれていたのでしょう。

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駅舎。ここは雨が降っていました。

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駅舎左の”麦わら帽子”のような形をした建物は「大江町交流ステーション」となっていて、中には色々な展示物があったり、ホールや会議室があったりします。
横手駅にしても、そしてこの左沢駅にしてもそうですが、こういう駅の使い方って良いなぁと思います。こういった駅は今後も各地で増えていくのでしょうね。

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駅前の様子。大江町の中心地です。

左沢10:21→山形11:02
左沢での滞在時間はたった7分。駅前をざっと見た後、すぐに折り返しの列車に戻りました。
帰りは寒河江から一気に混み、終点に着く頃には立ち客も。意外と利用者は多いようです。

山形11:07→赤湯11:33
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山形からは新幹線。やはり本数が少ない以上、背は腹に代えられません…。
僅か5分の乗り換え時間でしたが、一旦改札を出て特急券と乗車券を買い、新幹線乗り場へと急ぎました。

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降りたのは赤湯。
次回に続きます。

(続く)
2012/11/14 Wed. 22:52 | trackback: 0 | comment: 0edit

ゆけむりと錦秋の列車旅 その7 

11/3(土) 3日目<後編>
石巻にやってきました。
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駅舎は独特な形をした立派なものです。
この石巻も海に面した町。津波の影響を受けてこの駅舎も一時浸水したということですが、駅周辺に大きな被害の跡は見られません。

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駅の前にはサイボーグ002・003の人形が置かれていました。そういえば、今ちょうど「サイボーグ009」(009 RE:CYBORG)の映画をやっていますよね。
よく見るとステンドグラスにもキャラクターが描かれています。

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さらに改札内にも仮面ライダーなどが設置されていて、観光客を出迎えてくれます。
この他市内には「石ノ森萬画館」があったり、駅から萬画館まで「石巻マンガロード」が整備されていたり、と「石ノ森章太郎の街」として売り出し中です。

その石ノ森章太郎ですが、実は宮城県登米郡石森町出身。しかし石巻市にある映画館によく通っていたことから、石巻を「第二の故郷」と呼んでいたそうです。そんな縁があり、石巻市長が石ノ森に「マンガによる町おこし」への協力を要請し、石ノ森もそれを承諾。結果として石巻=「石ノ森章太郎の街」というイメージが定着し、今に至っています。
てっきり石ノ森章太郎は石巻出身なのだとばかり思っていましたが、そうではなかったんですね…。

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石巻駅には石巻線のほか、仙石線も乗り入れています。ただ、現在も陸前小野~高城町が運休中になっているため、石巻側から列車で行けるのは陸前小野まで。また車両も205系ではなく、ディーゼルのキハ110による代走中です。

石巻12:07→小牛田12:45
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石巻に着いてまだ20分も経っていませんが、そろそろ小牛田に戻る列車の時間。昼食のコンビニ弁当を買って列車に乗り込みます。
幸い列車は空いてたので、車内で昼食を済ますことができました。

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鹿又~佳景山にて。

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途中の涌谷駅。昭和初期に建てられたという木造駅舎が健在です。

小牛田12:47→一ノ関13:34
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小牛田駅で向かいのホームに止まってた一ノ関行きに乗り換え、終点まで乗車します。
座席に座ると、食後の満腹感も手伝ってすっかりウトウト…一ノ関まで熟睡でした。

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一ノ関に到着。ここで1時間ほどの待ち合わせ時間があるので、いつもの通り街散策へ。

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さすがに新幹線の停車駅だけあって、駅前はそこそこ賑わっている印象です。
平成の大合併によって巨大化した一関市は、今や盛岡に次ぐ岩手第二位の人口を誇る市。

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iphoneの地図を見ながら歩いていると、近くに公園があることが分かったので行ってみることに。
駅から徒歩15分ほどの場所にある釣山公園です。

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公園は小高い丘のようになっていて、頂上から街が一望できました。
ここでしばらくのんびりして、駅に戻ったのは14:30分頃のこと。

一ノ関14:45→気仙沼16:07
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ここからは大船渡線を乗り潰します。
大船渡線が「ドラゴンレール」と呼ばれるのは、その線形が龍を思わせるグニャグニャした形だから。政治との兼ね合いで路線を捻じ曲げられたという建設経緯から、いわゆる「我田引鉄」の代表例とも言われています。ちなみに、同線の快速列車につけられた名称は「スーパードラゴン」。センスが伺えますね(笑

発車15分前に乗りこんだのですが、意外にも車内は混雑していて、どのボックス席にも先客がいる状態でした。
やむなくそのうちの一つにお邪魔し、着席。途中駅で降りる人も少なく、結局7割くらいの乗客は終点まで乗り通していたかと思います。

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列車はローカル風情漂う緑豊かな景色の中を走ります。
相席だったので車窓の写真は控えめに…。

ところで大船渡線は先述のとおり、複雑な線形を描く路線。一ノ関から陸中門崎(りくちゅうかんざき)にかけて東へ走りますが、陸中門崎~柴宿辺りにかけては進路を変えて北へ向かいます。
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そして、この摺沢駅こそが政治権力で生まれた駅。この駅を経由するために、わざわざ途中で進路を北に変えたのです。

ここからはまた南に向かって走り…

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千厩駅に到着。この先列車は再度東に向きを変え、終点の気仙沼を目指します。

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そして一ノ関から1時間20分ほどの乗車の末、終点の気仙沼に到着。
直線距離(国道経由)なら45km程度の区間ですが、列車だと62km。大船渡線がいかに遠回りしているかがわかりますね。

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本来ここには盛方面、あるいは気仙沼線の表記があるはずなのですが、今はテープで目隠しされてしまっています。
わざわざ隠すこともない気がするのですが…。

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そして、こちらもちょっとショックな光景。
現在は1番線しか使われていないらしく、2番線の線路はすっかり錆びついてしまっていました。

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駅舎は改装中。宮古駅などと同じく、ここを地域活性化の拠点にするための工事のようです。
新駅舎は「漁業のまち」をコンセプトとし、12月の上旬に完成予定とのこと。

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駅前の様子。気仙沼の中心市街は南気仙沼駅周辺にあり、この気仙沼駅周辺はさほど発展していません。

__ (21)
一通り駅前を見た後、小腹が減ったので駅前の食堂で「気仙沼ラーメン」(680円)を頂くことに。(結局、これが夕飯となりました)
気仙沼の名産・サンマのつみれが入ったラーメンで、あっさりしたしょうゆベースの一杯。ラーメンそのものは普通の味でしたが、やはりつみれは美味しかったです。
この一杯が少しでも復興に繋がりますように…。


食後、今度は駅前の観光案内所に入ってみました。
そこで、受付の人と色々とお話。不躾ながら震災当時の様子なども伺ってみたのですが、地図を使って大変丁寧に教えてくださいました。
津波や沿岸火災など、大きな被害を受けた気仙沼。しかし、その中でこんな不思議なこともあったそうです。
「海沿いにあった神社だけは全く被害を受けなかったんですよ。周りは全部津波にやられているのに。やっぱり神社とかってそういう場所に造られているんですよね。これは興味深いことです。」
神社というのは、経験則などから自然災害の少ない場所に建てられているのでしょうか。確かに興味深い出来事です。

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さて。ここからは気仙沼線の代行バスに乗ります。
当初乗る予定はなかったのですが(大船渡線で折り返すつもりだった)、次の一ノ関行きが18時までなく、駅で待つのもきつかったので柳津経由にすることにしたのです。

気仙沼16:50→柳津18:53(代行バス)
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代行バスがやってきたので乗り込み、これで終点の柳津を目指します。

既に日が落ちて真っ暗だったため、車窓はよく見えませんでした。しかし目を凝らして窓の外を見ると、うっすらと見える土台だけになった家、脇に積まれた瓦礫…。特に最知や歌津、志津川などはひどく、そこにあったであろう生活の営みはすっかり無に帰していました。道路もまだ修理中の区間が多く、道路沿いにあるのはプレハブのコンビニや、ガソリンスタンド。進まぬ復興と漂う閉塞感。厳しい現実を思い知らされた気がします。
でも、復興に「進捗」はあっても「後退」はありません。年内には気仙沼線の代行バスもBRTとして仮復旧される予定になっています。一歩一歩確実に…。復興の日を信じています。

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こうして2時間の乗車を経て柳津駅に到着。鉄道と同じく、1分と違わぬ定刻通りでの運転でした。
ここからは再び鉄路で仙台へ。

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柳津駅の駅名。運休となっている気仙沼方面の駅は厳重に隠されていて、当分復旧がないことを示唆しています。
JRは「BRTはあくまで仮復旧の手段」だとしていますが、一体鉄道として運転を再開するのはいつのことになるのでしょう…。

柳津19:03→小牛田19:43
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石巻線直通の小牛田行きはキハ110の単行。利用者は数人で、途中駅での乗り降りはありませんでした。

小牛田19:59→仙台20:44
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小牛田から仙台に向かう列車は701系+721系。こちらも乗客は数えるほどで、それだけに仙台駅の賑やかさに慣れるのには時間がかかりました。

仙台で降りた後は地下鉄で勾当台公園へ向かい、その近くにあるカプセルホテルに投宿。
実はこの”カプセルホテル”というのは今回初めての経験だったのですが、意外と快適で寝る分には十分な環境でした。個室ではないので音が筒抜けなのが玉にキズですが、それはネカフェとて同じ。今後は「カプセルホテル泊」という機会も増えていきそうな予感です。

(続く)
2012/11/13 Tue. 22:16 | trackback: 0 | comment: 0edit

ゆけむりと錦秋の列車旅 その6 

11/3(土) 3日目<前編>
新庄で迎えた旅3日目の朝。今日も朝から冷たい雨の降る冴えない天気です。

新庄6:00→瀬見温泉6:21
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この日最初のランナーは陸羽東線。
朝食用のサンドウィッチを買って車内に乗り込み、誰もいない車内で静かに食べました。こういう些細な一瞬一瞬が、意外と旅の思い出になるんですよね。

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ようやく明るくなり始めた山間を走る列車。
2両合わせても乗客はたった3人だけで、ディーゼルエンジンの音だけが車内に響きます。

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降りたのは瀬見温泉駅。

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駅舎はコンクリート造りの平屋建てながら、随所に和のテイストが取り入れられた造り。辛うじて「温泉駅」の雰囲気を残しているといった感じです。

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駅から温泉街までは1km弱。
相変わらずシトシトと降り続く雨の中、荷物とカメラが濡れないように庇いながら慎重に歩いていきます。

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途中、小国川に架かる「義経大橋」から。
この瀬見温泉は義経らが平泉に落ちのびる際、弁慶によって発見されたという伝説が残っている場所。周辺には義経や弁慶にまつわる史跡なども多数残されているそうです。

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駅から10分ちょっと歩くと、情緒豊かな温泉街が姿を表しました。

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温泉街の入り口付近にはこんな神社があり、傍には足湯もあります。
天皇皇后両陛下もお泊りになったことがある格式高い場所だという瀬見温泉。かつての賑わいは無くなってしまったようですが、今も尚10件程度の温泉宿と2件の共同浴場が存在します。

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そんな中、私が今回入るのがこちら。瀬見公民館の一階に設けられた公衆浴場です。
入湯料は200円で営業は朝6時から。浴室は狭くて、洗い場もありません。そして何よりお湯がかなり熱く、入るのには一苦労…。体がジンジン痺れるくらいの熱湯でしたが、一旦入れば体も慣れ、まさに「芯」から温まりました。

瀬見温泉7:36→鳴子温泉8:20
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瀬見温泉を後にし、次に向かったのは鳴子温泉。

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ここも去年の11月に訪れているので、1年ぶりの訪問となります。
今回は昨年のリベンジを果たすべく…。

鳴子温泉駅8:30→鳴子峡中山平口8:43(バス310円)
バスで鳴子峡を目指します。
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座席がすべて埋まるほどの観光客を乗せて、バスは駅を出発。
依然小雨が降り続いていましたが、外に目をやると、そこには完璧な虹が架かっていました。
バスの運転手さんも興奮気味で「皆さん、右手には素晴らしい虹が見えていますよ!こんな完璧な虹を見たのは何年ぶりでしょうか…」などと乗客に向かってアナウンスを入れていました。
その後も運転手さんのガイドを聞きながら、駅から走ること15分。

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鳴子峡に到着。県境に近いこの場所は天気が悪く、雨はまた本降りに…。

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でも、そこから見る紅葉はとにかく「素晴らしい」の一言!
今年は特に色づきが良いとのことで、その眺めは一幅の絵画のよう。今まで、これほどまでに見事な紅葉は見たことがありません。
晴天ならさらに素晴らしかったのかと思うと悔しいところですが、ホント来て良かった…。

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この紅葉の中を陸羽東線の線路も貫いています。
列車を絡めた写真を撮ろうと、ここでカメラを構えている人もチラホラ。

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この鮮やかな景色をいつまでも見ていたかったのですが、生憎時間がありません…。
滞在時間は僅か20分。またいつかの再訪を近い、名残惜しくも鳴子峡を離れました。

鳴子峡中山平口9:05→鳴子温泉駅9:18(バス)
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駅に戻ってきたのち、今度は近くの公衆浴場「滝の湯」で入浴することに。
(つい3時間前に温泉に入ったばかりですが…(笑)
ここも木の温もりが感じられる気持ちのいい温泉で、時間ギリギリまで湯船に浸かっていました。やはり、白濁して柔らかい「いかにも温泉」といった泉質が良いですね。

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駅に戻ってくる頃、東の空はすっかり快晴になっていました。
ただしつこく小雨がパラついていて、いわゆる「狐の嫁入り」状態。

鳴子温泉10:04→小牛田11:03(+3分遅れ)
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ここから乗る列車は「紅葉ゆけむりライン」と書かれたHM付き。ちなみに、今回の旅行記のタイトルはここからアイディアを得たものです(笑
ホームには小牛田方面に向かう大勢の観光客が列車を待っていましたが、何とか着席。午前10時ということで、ちょうど宿のチェックアウトの時間に重なってしまったようです。

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相変わらず車窓にはくっきりとした虹の姿が見えています。
よーく目を凝らすと二重になっているのですが、お分かり頂けるでしょうか?
内側と外側。色の並びもしっかり逆になっています。

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東に向かうにつれて先程までの小雨も止み、一面の青空が広がるようになっていました。
列車は3分ほど遅れて小牛田に到着。

小牛田11:08→石巻11:46
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小牛田からは未乗の石巻線に乗ることに。
全くの計画外だったのですが、直前に調べたところ何とか石巻まで往復できそうだったので、慌てて乗車。
慌て過ぎてゴミ箱に手を強打し、指に怪我をしてしまったというのは内緒です(石巻に着くまで血が止まらなかった…)。

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小牛田を後にすると、右手に広大な田園、左手に国道と住宅街を見ながら走っていきます。

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後ろから見るとこんな感じ。小牛田から二つ目の涌谷を過ぎると両側に田んぼが広がるようになり、長閑な車窓が展開されます。終点まで大きなアップダウンもなく、拓けた景色が続きます。

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この辺りを走るキハ48の特徴が、この独特な形の貫通路。ワンマン運転なので見通しをよくするためかな?と思いますが、本当のところは分かりません。編成の自由度を犠牲にしてまで改造したからには、何らかの意味があるのだと思いますが…。

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乗客はごくわずか。うららかな気候、平穏な車窓と相まって、ゆったりとした時間が車内に流れます。

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そして終点の石巻に到着。
また同じ列車に乗って小牛田に折り返します。

(続く)
2012/11/12 Mon. 21:35 | trackback: 0 | comment: 0edit

ゆけむりと錦秋の列車旅 その5 

11/2(金) 2日目<後編>
田沢湖畔で凍えそうになって、そこから温泉に行って至福のひと時を過ごして…。
そんな、良くも悪くも記憶に残りそうな田沢湖を後にする時間が近づいてきました。

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ここから先は列車本数が少ないため、大曲までの「立席特急券」を買って新幹線で移動。「こまち」は全車指定席なので、自由席の代わりにこの「立席特急券」が販売されているのです。(「立席」とは言っても、席が空いてれば座れます。)
もちろん「東北ローカル線パス」では新幹線に乗れないので、新たに乗車券も購入しました。

田沢湖11:33→大曲11:56
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この日は発達した低気圧の通過で、日本海側を中心に大荒れという予報が出ていました。
でも田沢湖を出ると次第に空は明るくなり、やがて青空ものぞくほどに。田沢湖で晴れて欲しかった…というのが本音ですが、どこであれ晴れるに越したことはありません。

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すっかり晴れわたった空の下、大曲駅に到着。
とはいえ相変わらず北風が強く、日差しの暖かさは感じられず…。「こまち」車内から見た沿道の温度計は「4度」を示しているくらいで、とにかくこの日は寒かったです。

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時間もあったので、少しだけ駅前を歩いてみました。
やはり「大曲といえば花火!」ということで、駅前には「花火通り商店街」という名がついた商店街があります。ざっと見た感じ、特に花火専門店が目立つということは無かったものの、どのお店もきちんと営業されていてホッと一安心。

大曲12:30(+5分遅れ)→横手12:48(+5分遅れ)
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ここからは奥羽本線で横手へ。
福島~青森を結ぶ奥羽本線のうち、この区間だけ乗ったことが無かったので、これで晴れて奥羽本線も完乗となりました。完全な自己満足です(^^;

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こうして横手に到着。
昨年11月以来、丁度1年ぶりの訪問。前回来た時は駅舎が竣工したばかりで駅前広場も開発途上でしたが、新たにバス乗り場に屋根がついたり、駐車スペースが整備されたり…と、見違えるようになっていました。

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駅前の様子。ここだけを見るとなかなか栄えているようにも見えるのですが…。ご多分にもれず、駅前より国道沿いの方が賑わっているようです。

時計を見るともう13時近く。お腹も減ったので駅前の食堂に入ることにしました。
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お邪魔したのはこちらのお店。

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そして注文したのはもちろんコレ!
前回来た時も食べましたが、モチモチの麺と甘めのソースの相性が絶妙…。それでいてお値段も500円とリーズナブルで、非常に満足度の高い一品でした。

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食後、先ほどとは反対の西口側を少し散策。
駅前は寂しいものの、少し行けば国道13号線が走っていて、その通りは比較的賑わっているようです。市役所もこちら側にあります。

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こちらは西口1階にある「交流ステーション」。東口にも同様の「総合ラウンジ」というスペースがあります。
駅舎改築に伴ってこうしたスペースを用意し、駅の活性化が図られた横手駅。しかし折角のこうした空間も、結局はただの列車待合室になっているのが実情で、駅”復権”の難しさを実感させられます。

横手14:00→ゆだ錦秋湖14:40(+約30分遅れ)
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さて。ここからは北上線に乗ります。
昨年も同じく横手から乗車し、その車窓にいたく感動させられた路線。その感動をもう一度…。

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その期待通り、沿線の紅葉はまさに見頃でした。
天気が良くなかったのが悔やまれるものの、その鮮やかな車窓は見応え十分。座席に座るのも忘れ、ずっと最後尾からの展望を楽しんでいました(苦笑)

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それからも順調に走っていたのですが、ほっとゆだでアクシデントが発生。
「交換列車が強風のため遅れているので、ここでしばらく停車します」

目的地のゆだ錦秋湖まではあと一駅。こんなところで足止めを食らうとは…。

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この後「列車の運転を打ち切り、タクシーによる代行とさせていただきます。タクシー到着までしばらくお待ちください」という駅員さんの案内がありました。やれやれ、結局打ち切りか…。そう思ってタクシーが来るまで、駅前をブラブラしていると、今度は「もうすぐ列車が動くので、車内に戻ってください」と駅員さん。先程の案内から5分ほどしか経っていません。
そんな朝令暮改に振り回され、結局列車は30分ほど遅れて運転を再開。乗客の皆さんも苦笑いしながら、それぞれ座席に戻っていました。

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去年も同じ場所で写真を撮ったのですが、ほっとゆだ~ゆだ錦秋湖の景色は本当に印象的です。

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そしてゆだ錦秋湖。

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この駅で降りたのは他でもない、温泉に入るため。駅のすぐ近くに日帰り温泉「穴ゆっこ」で入浴します。
それにしてもこの建物、どっかで見たことある形だなぁと思っていたのですが、すぐに気付きました。そう、先程も降りた「ほっとゆだ」駅にそっくりなのです。調べたところ「ほっとゆだ駅」の方が先にできたようで、それをモチーフにして造られたのかもしれません。

肝心の温泉は気持ちいいの一言!残念ながら源泉不足で露天風呂は閉鎖中でしたが、名物の洞窟風呂も堪能でき、十分満足できました。入湯料は300円と手ごろなのも嬉しいところです。

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そんな気持ちのいい風呂を出て、脱衣場で着替えていると、「どっからきたの?」と地元のおじいさんに声をかけられました。
(実は午前中に訪れた乳頭温泉でも同じようなシチュエーションにでくわしていたので、本日2度目、ということになります(笑)
この後さらに2人が会話に加わり、4人でしばらく雑談。
「合併したにもかかわらず(今この辺りは西和賀町)人口は6000人くらいまで減って寂しくなったよ」
「農家をやめる人ばっかりで、うちの周りもみんなやめた。農家は採算が合わないからね。農家やるくらいなら、店で普通に買った方がいいよ」
「昔この辺りには鉱山があってすごく賑わってた(それで、ここにも「洞窟風呂」があるらしい)けど、外国から安い鉱物が入るようになって閉山になった。今は御覧の通りだ」
「冬の間は仕事が無くてね。最近は除雪の仕事がちょこちょこあるけど、それも65歳までしかできないし…。冬に仕事があれば、農業も続けられるんだけどねえ」

おじいさんの口から出るのはそんな地方の置かれた苦しい現状。農家にしても、鉱山にしても、いずれも海外からの安いものに押されて衰退してしまったということで、我々が安さを追い求める代償は、結局地方に降りかかっているということを痛感しました。もちろん知識としては知っているものの、直接話を伺うことで実感もわいてきますし、危機感も募ります。こういう話を聞く度に「何とかしたいなぁ…」と思うのですが、一体自分には何ができるのか…。なかなか答えは見つかりません。

ある意味「出会い」を求めての温泉巡りでもあるわけで、こうして地元の方と会話できただけでも来た甲斐があったというもの。会話の中で考えさせられる部分も多々あったのですが、色々なお話を伺えて本当に良かったと思います。3人ともとても気さくな方で、「まあ何もないとこだけどゆっくりしていってね」と言い残して脱衣場を後にしていかれました。

私も遅ればせながら脱衣場を出て休憩室へ移動。列車の時間まではまだ30分以上あったので、受付の方に「休憩室で待たせてもらってもいいですか?」と伺って、待たせてもらうことに。受付の方も「電気つけましょうか?」「テレビは付けますか?」「寒くないですか?」と私一人のために色々気遣ってくださり、その旅先で出会う優しさに涙がちょちょぎれそうでした…。

そんな心も体も温まった「穴ゆっこ」。いい思い出をありがとうございました。

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ゆだ錦秋湖16:45→横手17:25
依然風が強かったので、列車が定刻通り来るか不安だったのですが、横手行きは1分の遅れも無くやってきました。
ところでこの車内で、朝の田沢湖線(盛岡→田沢湖)で一緒だった男性を再び見かけました。言葉は交わさなかったものの、向こうも何となく私のことに気づいていたようだったので、声をかければ良かったかもしれません。。

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終点の横手で乗り換えます。

横手18:01→新庄19:39(+7分遅れ)
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横手からは奥羽本線で新庄へ向かいます。
横手発車時は学生で賑わっていた車内も、いつの間にか御覧の様相に。

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途中の及位駅では列車交換待ちのため、5分ほど停車。対向列車が遅れていたようで、結局12分ほどここで待たされました。

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その7分の遅れを引きずったまま終点の新庄に到着。今日はここで旅を終えます。

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夕飯は駅の近くにある「急行食堂」にて。新庄名物だという「鳥もつラーメン」の大盛を頼みましたが、さっぱりとしたスープにコリコリとした鳥もつがアクセントになって美味しい一杯でした。ただ、思った以上に麺が多くて苦戦…。学生の意地にかけ(?)必死に食らいつき、最後は何とか完食しました。

ところで、「急行食堂」といえば木古内駅前のお店が比較的有名かと思いますが、ここもそれなりに名の知れたお店だそう。名の由来は分からないものの、急行列車が数多く走っていた頃の雰囲気を強く残す、昔ながらのお店でした。

(続く)
2012/11/11 Sun. 22:13 | trackback: 0 | comment: 0edit

ゆけむりと錦秋の列車旅 その4 

11/2(金)2日目<前編>
盛岡から始まる旅の2日目。朝は風もあって寒く、ポツポツと雨も降っていました。

盛岡5:22→田沢湖6:09
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今日からはこちらの「東北ローカル線パス」を使います。
これは来年の1月28日まで(ただし12/28~1/7除く)の金~日(または土~月)の連続する3日間使用できるというフリー乗車券で、東北6県のJR線および私鉄10線が乗り放題で6000円。18切符の使えない時期には重宝する切符です。
この「東北ローカル線パス」を手に入れた後、本日最初の目的地へ向かうべく田沢湖線に乗り込みました。

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少しずつ空が白んでくる中、列車は峠を越えて秋田県の田沢湖駅に到着。

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ホームには龍のオブジェがありました。
田沢湖には「辰子伝説」というものが伝わっているそうですが、この龍もその伝説にまつわるものなのかもしれません。

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駅舎はガラスを多用したデザイン。光が降り注ぐ内部は開放的で、とても明るい空間になっています。

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綺麗に整備され、観光地の雰囲気が漂う駅前風景。
この写真を撮った時雨は止んでいましたが、時折ザーッと強い雨に見舞われるなど変わりやすい天気でした。

田沢湖駅6:55→田沢湖畔7:09(バス)
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40分以上駅で待ち、ようやくやってきた始発のバスで田沢湖畔へ向かいます。天気が悪いので「どうしようかなぁ」と迷っていたのですが、ここまで来たんだからやっぱり行っておこう、ということで予定通りバスに乗り込んだのでした。
ところで、こちらのバス停は「高速バスのりば」も兼ねているようで、その行き先の中に「藤沢」や「鎌倉」の文字があることにビックリ。藤沢から田沢湖まで乗り換えなしで来れるのかと思うと、急に田沢湖が身近に感じられました…(笑

さて。そんなわけで、バスに乗って向かった先は田沢湖。
駅からは15分ほどの距離です。

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到着!
日本で最も深い湖ということで知られる田沢湖。世界で最も深い湖・バイカル湖になぞらえて「日本のバイカル湖」との異名も持ちます。また、いまだにどうやって湖ができたのかよく分かっていない上、辰子の伝説が伝わっていることもあって「神秘的」というイメージも付きまとう湖です。

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湖の全貌。
まず第一印象として感じたのは「色が濃い」ということ。曇っているにもかかわらずこれだけの青さ。これも深さ故なのでしょう。
晴れていたら一体どれだけ綺麗だったのか…。

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着いた時は雨も降っておらず、空も明るくなっていました。

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湖畔は砂浜の海水浴場になっていますが、雨の後で足場が悪く、湖に近づくことはできず。

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湖周辺には旅館や土産物屋が軒を連ね、一大観光地を形成しています。
わざわざ湘南地域からの直通夜行バスがあるくらいなので、シーズンともなればこの一帯は大いに賑わうのでしょうね。

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こうして暫く湖畔を散策していたのですが、次第に湖の向こうで雷鳴が聞こえ始め、急に風が強まり、辺りは暗くなってきました。これはまずい…。

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というわけで屋根がある場所に避難。
吹きすさぶ風はますます強く、そして轟く雷鳴はいよいよ近くなり、ついには雨も降りだしました。
バスの時間まではあと20分…。屋根があるとはいえ、雨を伴った冷たい風は容赦なく体に吹きつけてきて、私の体温を奪っていきます。
この20分は本当に寒さと恐怖との戦いでした。たった20分なのですが、一時は本当にどうなる事かと…。

田沢湖畔7:57→乳頭温泉8:32(バス)
そんな状況下でバスを待ち続けていたので、無事バスがやってきたときの安心感は計り知れないものがありました。
車内には先客のおばあさんが一人だけ。例によって途中の乗り降りは無く、終点まで運転手を含めて3人という静かな時間が続きました。

バスはどんどん山道を登っていき、秘湯と呼ばれる乳頭温泉を目指します。
その途中、思いがけない光景に出合いました。
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それまで降っていた雨が、何と雪に変わったのです。
11月2日。まさかこの時期に雪を見ることになるとは…。

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そして終点の乳頭温泉は一面の雪景色。冬の光景が広がっていました。
一応冬の服装をしていたのですが、それでも寒さが身に沁みます。。

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しかし、そんな寒さの中で入る温泉こそ至高(笑
早速乳頭温泉郷の中にある「大釜温泉」にて入浴します。

日帰り入浴の受付は9時から。フライング気味になってしまったものの、受付のおじさんのご厚意により少し早めに入ることができました。
体が冷え切っていたということもあって、本当にこの温泉は気持ち良かった…。
トロンとした温泉らしい温泉、外には雪と紅葉のコラボレーション、そして何より秘湯の雰囲気が堪らなく素敵でした。喉元過ぎれば”寒さ”忘れる…。先程まで寒さと戦っていたことなど記憶の片隅に追いやり、存分に温泉を楽しんだのでした。

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温泉から出た後、まだバスの時間まで30分以上あったので周辺散策。
この辺りは紅葉も終わりかけ、といった感じでしたが、それでも十分に美しい景色でした。

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紅葉を楽しみながら、結局乳頭温泉から1.5kmほど下にあるバス停まで歩き、そこからバスに乗りました。

鶴の湯旧道入口9:58頃→田沢湖駅10:42(バス)

乳頭温泉。私がこれまで行った温泉(数は少ないですが)の中でもトップ3に入る泉質と雰囲気で、本当にいい場所でした。特にこれからの雪深い季節こそが温泉シーズン。痺れるような寒さの中、秘湯で温泉巡りというのも一興ではないでしょうか。強くおススメしたい温泉です。

(続く)
2012/11/09 Fri. 23:38 | trackback: 0 | comment: 0edit