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The seaside of Shonan

変わりゆく風景の「今」を残したい

北海道周遊鉄道旅 その12 

7/5(木) 5日目<後編>
この日は朝から網走→原生花園→北浜と動き回り、その後釧路湿原に寄り道。そして15時過ぎに釧路までやってきました。
ここから花咲線で根室を目指すことになりますが、次の列車の時間まで釧路の街を歩きます。

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釧路駅。
稚内や旭川、あるいは札幌や函館といった駅が次々改装される中にあって、この釧路駅は一昔前の雰囲気を残しています。綺麗な駅もいいですが、こうしたちょっと年季の入った駅舎もまた良いもの。これといって特徴のない建物ではありますが、街の規模や雰囲気にも馴染んでいて”どっしり街の中心に構えている”、そんな印象を受けました。
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旭川などには及びませんが、駅前にはしっかりと「街」の景色が広がっていて、久しぶりに活気を感じることができました。
釧路市の人口は20万人弱で、札幌、旭川、函館に次ぐ道内4位の規模。名実ともに道東の中心地です。

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街を歩いていて気になったのがこちらの薄い信号機。庇も付いていません。
これなら上に雪が積もる心配もありませんね。

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駅から歩くこと15分。やってきたのは釧路市のシンボル、「幣舞橋(ぬさまいばし)」です。
旭川の旭橋などと共に北海道三大名橋の一つで、釧路十景にも選ばれています。
2009年にはここを流れる釧路川にラッコの「クーちゃん」が現れ、一躍釧路市の人気者となりました。その時にクーちゃんの主な出没場所だったのがこの幣舞橋周辺だったということです。近くには記念のパネルまで立てられており、市としてもクーちゃん人気にあやかろうとした跡が見られます。当のクーちゃんは今どこで何をしてるんでしょうね…。

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堂々の片道3車線。そのため幅はかなり広く、一方橋自体は低いため、独特な外観を成しています。

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77年に竣工した現在の橋には4体の彫刻が置かれており、それぞれが「春」「夏」「秋」「冬」を表しているそうです。

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橋から眺める釧路川。そしてその先には海。
右に写っている建物は「釧路フィッシャーマンズワーフMOO」という複合商業施設で、ショッピングや飲食街、ゲームセンターや郵便局、果ては市の教育委員会やハローワークまで、もうとにかく色々なものが入った建物です。

20分ほど周辺をウロウロし、その後駅へと引き返します。
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途中で標識に目をやると、根室まであと124kmの表示が。
釧路市も北海道のかなり東に位置する都市ですが、根室はさらに東に124km…。北海道の広さを痛感します。

ところで釧路に来てからずっと思ってたこと…それは「寒い!」ということ。
湿原にいた時は25度前後あったはずなのですが、一転釧路市街は風が冷たく、半袖では寒いほどでした。
(市内の温度計を見たところ17℃を表示していてました)

それもそのはず、釧路市は北海道の中でも夏が涼しい場所で、8月でも25度を超える日は極めて少ないそう。
何と8月の平均気温は17.8℃しかなく、まさにこの日の気温が8月の平均気温程度だったということになります。夏は過ごしやすいでしょうが、やはり冬の寒さは大変でしょうね…。

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駅へと戻ってきました。
ホームはかなり使いこまれた跡があり、こういうところに一々旅情を感じてしまいます(笑

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ホームにはノロッコ号が入線してきました。
時間をずらせばこれにも乗れたのですが、一人でこういう列車に乗ってもなぁ…と思い、今回はやめました。
こちらは次回のお楽しみにしておきます。

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根室行きが入ってきました。意外にも乗客が多く、どの席にも誰かしら座っているという状態でした。
そのため一旦座席をとってから外に出て撮影。

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乗ったのはルパン三世のラッピング車でした。
作者のモンキーパンチ氏が花咲線沿線の浜中町出身ということで、地域振興のために今年4月から運行されているようです。
車内の座席も特急用(789系用?)に交換されており、非常に座り心地が良いものでした。

釧路16:28→根室18:59
列車は釧路を出発。東釧路で釧網本線と別れ、一路東へ進んでいきます。
東釧路を出ると住宅街はすぐに途切れ、緑豊かな車窓に移り変わっていきました。

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別保を出ると列車はひたすら山の中を走っていきます。
途中には野生のシカも多数出没。この花咲線はシカとの接触事故が非常に多い路線でもあり、「ピー」と甲高いシカ避けホイッスルを小刻みに鳴らしながら進んでいきます。列車はかなりスピードを出す一方、シカは中々逃げないことも多いらしく、それが接触事故という悲しい結果につながっているようです。特に近年はシカの増加が著しく、この路線においてかなり深刻な問題になっています。

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別保、上尾幌と停まり、次は尾幌駅に停車。
この駅前の解放感…(笑

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少しずつ車窓が開けてきましたが、東に向かうにつれて徐々に霧が濃くなってきました。

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やがて海が見えてきました。間もなく厚岸です。

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根室から一時間ほどで厚岸に到着。ここで交換待ちのため11分停車します。
沿線の中ではかなり大きな駅で、乗客の半分ほどがここで下車。
一番後ろに陣取っていた高校生軍団もここで降り、車内は一気に静かになりました。

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厚岸を出ると、車窓には厚岸湖が広がります。この日は霧が出てたため湖岸が見えず、地図を見るまではてっきり海だと思っていました。

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やがて少しずつ湿地帯の雰囲気が現れ始め…

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列車は別寒辺牛湿原に入ります。
釧路湿原程の規模はないものの、厚岸湖と共にラムサール条約にも登録されている大湿原。糸魚沢まで続く雄大な景色は、花咲線前半の見せ場と言えます。

釧路湿原を見た後とはいえ、この広々とした湿原の風景は本当に印象深いものでした。

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糸魚沢、茶内を経て、次の停車駅は浜中。
ホームにはルパンのパネルもあり、駅前にはルパンラッピングのバスが走るなど「ルパンの街」として売り出し中です。

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画像は厚床~初田牛。
霧が一段と濃くなる中、本当に何もない場所をひたすら走っていきます。
北海道の鉄道に乗っていて一番感じたのは、駅と駅の間、町と町の間がまったくの空白地帯であるということ。
それは例えて言えば「ポケモンの世界」。(つまり、町と町の間に家が殆どなく、ダンジョンや森があって、それを越えるとようやく次の町にたどり着けるという意味で…)
言いかえれば、鉄道というのがまさに「点」と「点」を繋いで「線」にするという役割を担っているということを強く実感する光景で、北海道の鉄道を象徴するものであるように感じました。

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普通列車ながら初田牛駅は通過。
周りにはおよそ人の気配がなく、ここに駅があること自体が不自然に思えてしまいます。

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この後別当賀も通過し、落石に停車。駅前にはささやかな集落があります。
落石前後ではまた海沿いを走り、周辺の丘陵風景と相まって花咲線を代表する車窓が広がるのですが、あまりに霧が濃くて窓の外は殆ど見えませんでした…。

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変な駅名の「昆布盛」。
函館本線にも「昆布」という駅がありますが、あちらは昆布とは無関係。ただこちらは正真正銘(?)昆布の特産地のようです。

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列車は広大な牧草地の中を東に進み、いよいよ終点の根室が近づいてきました。
根室の一駅手前・東根室駅は日本最東端の駅。この先線路は弧を描いて進路を西に変えるため、この駅が最東端になっているのです。
根室と東根室の関係は、大湊線の大湊と下北の関係とよく似ています。

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東根室を出るとほどなく終点の根室に到着。

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朝日に最も近い街。日本で一番朝を早く迎えられるのがこの根室です。

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相変わらずの霧、そして体を包む冷たい空気が、東端の地に来たことを実感させてくれます。
それにしても釧路よりはるかに寒く、体感的には15℃に満たない気温でした…。

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霧のまち・根室。
根室は「霧は深いが人情も深い」のだそうです。(宿のおばちゃんから聞いた言葉)

駅前こそこじんまりとしてますが、町の規模はそれなり。稚内の時もそうでしたが、日本のどこに行ってもしっかりとした「まち」があるということに驚かされます。
国は違えどここより東にも人は確かに住んでいるし、稚内よりも北にだって住民はいる。今まで当たり前のこととしか考えていませんでしたが、いざこういう場所に来ると、実はそれって凄いことなんじゃないか?と、改めて感じさせられます。

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到着して早々ですが、駅前の食堂に入って夕食を頂きます。
注文したのは名産・花咲ガニを使った「かに天丼」と「かに鉄砲汁」。合わせて1500円。

天丼の方にはブリや鮭、さらにウニの天ぷらまで載っていてただただ旨い!
冷えた体には鉄砲汁が沁み渡り、身も心もすっかり温まりました。

食堂を後にし、すっかり暗くなった町を歩いて宿へ向かいます。
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駅前には「返せ!北方領土」と強い口調で書かれたモニュメントがありました。
朝日に最も近い町は、北方領土に最も近い町でもあるのです。

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本日の宿はいわゆる「民宿」で、広々とした和室(半分フローリング)を用意していただきました。
「エクハシの宿」というのがその宿の名前でしたが、エ=択捉 ク=国後 ハ=歯舞 シ=色丹を表しているといい、ここにも北方領土返還への強い意志、そして必ず取り戻すんだという固い決意がにじみ出ています。そしてその思いを、ここを訪れる旅人にも持ち帰って欲しい…そういった思惑を確かに汲み取ることができました。


こうして根室で旅行5日目の夜を迎えました。
残すはあと2日。明日は帰宅に備え、ひたすら西へ向かいます。
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2012/07/20 Fri. 20:00 | trackback: 0 | comment: 0edit

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