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The seaside of Shonan

変わりゆく風景の「今」を残したい

北海道を憂う 

11月にJR北海道から「当社単独では維持することが困難な線区について」と題し発表されたプレスリリース。
衝撃的なタイトルで公表されたこのプレスは、維持困難な路線を名指し、その路線特性や維持費用を明記したうえで、廃線やその他立て直しの手段を検討したい、という内容のものでした。社会インフラを担う会社がこのようなプレスを出すこと自体、異例と言えます。とはいえ、ついに来るべき時が来たか、という感じ。
https://www.jrhokkaido.co.jp/press/2016/161118-3.pdf

公表された内容をまとめると以下の通りとなります。
このうち、12の石勝線(夕張支線)は廃止が確定。13の日高本線も先日の記事の通り、廃止の方向で調整が進められています。また、余程地元自治体の反対がない限り、1~3の路線も廃止は確定的といえる状況です。
No路線名区間距離状況今後の対応
1札沼線北海道医療大学~新十津川47.6km輸送密度200人未満で、
利用客が極端に少ない
バス転換等を軸に、鉄道廃止前提で協議
2根室線富良野~新得81.7km
3留萌線深川~留萌50.1km
4宗谷線名寄~稚内183.2km輸送密度2000人未満で、利用客が少ない設備の見直し、駅や列車見直し、運賃値上げ、上下分離方式等、鉄道を維持する仕組みを検討
5根室線釧路~根室135.4km
6根室線滝川~富良野54.6km
7室蘭線沼ノ端~岩見沢67.0km
8釧網線東釧路~網走166.2km
9日高線苫小牧~鵡川30.5km
10石北線新旭川~網走234.0km
11富良野線富良野~旭川54.8km
12石勝線新夕張~夕張16.1km 廃止予定、バス転換
13日高線鵡川~様似116.0km災害による長期不通復旧断念、バス転換前提で協議


図2
上の図は「白地図 KenMap」というフリーソフトで作成した北海道の路線図ですが(留萌線、江差線の一部廃線は反映されていません)、先程の1~3 の線区はそれぞれ①~③で、また12の夕張支線と13の日高線は④⑤でプロットしています。(やっつけ仕事ですみません。。)

そもそも沿線に観光資源がなく、過疎化が進んで定期的な利用者が見込めない1~3の路線などは廃止も仕方ないと思います。しかしそれ以外は観光列車や特急が走る路線も多く、特に人気観光地のある富良野線までもが含まれている点が、現在のJR北海道の抜き差しならない状況を表しているように思います。

私も今年の夏、旅行で北海道へ行く予定でぼちぼち計画を立てているのですが(観光地を巡るだけの、いわゆる普通の旅行です・・)、やはり観光地を巡ろうと思うと、どうしても鉄道の少なさがネックになることを痛感しています。
まあそうなると、必然的に選択肢となってくるのが、レンタカーなど車という手段。釧路湿原を見ようにも、釧網線が少ない。美瑛に行くにも富良野線が少ない。知床に行くにも、鉄道とバスの接続があまり良くない。じゃあ車で良いじゃん、と。そんなわけで、「観光」目的で旅行をしようとすると、鉄道という選択肢はかなり非現実的になります。当然本数が少なければ益々使う人はいなくなり、より車を使おうという流れになる。なので、利用者が少ないから本数を減らしましょう、路線を減らしましょう、という議論は、必ずしも合理的ではなく、殊に観光路線などは余計利用者の減少に拍車をかけているだけに思えるのです。

また、この議論は一つの路線、区間だけで絞って考えてはダメで、観光客の流れも踏まえて全道的に、もしくはエリア毎にある程度広範囲で見直さないといけないと思います。もっと言うと、鉄道以外の公共交通機関も含めて検討する必要があるとも思います。北海道を訪れる観光客は大体長期間かけて、あちこちの観光地を回る人が多いでしょうから、部分的に利便性が向上してもあまり意味がありません。

そういう意味で、JR北海道が、利用客とか費用とかの定量的なものだけを見て「廃止」を判断するというのがどこか納得できず、モヤモヤするところがあります。いや、JR北海道という一民間会社で見たら当然の判断なのですが、「北海道」全体で見た時に、これでいいのか?と感じます。何と言うか、「なくせばよい」「減らせばよい」というのはあくまで企業側のコストカットの観点にしか立っておらず、インフラとしての鉄道が本当にそれでいいのか疑問なのです。まあ結局はどこで廃止と存続の線引きをするか、という問題なのだと思いますけど、難しいですね。

今は北海道にスポットが当たっていますが、今後同じような議論が日本各地で起こっていくことは間違いないでしょうから、鉄道のあり方については、民間企業という枠を越えての議論を望みたいところです。

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維持困難のため廃止対象となっている札沼線にある豊ヶ岡駅。周囲には何もない。

私が乗車した2012年当時はまだ新十津川まで行く列車が3往復あったのですが、現在はたったの1往復。もはや日常的な利用を見込んでのものではなく、廃止の手続きを終えるまでの間、やむなく走らせているだけ、という状況です。

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維持困難のため廃止対象となっている留萌線にある恵比島駅。NHK連続ドラマ「すずらん」にも「明日萌駅」として登場。

12月4日に留萌~増毛が廃止されましたが、結局は深川から増毛の区間も廃止を逃れそうにありません。留萌までの区間にも魅力的な駅が多く、廃止までに駅巡りをしておきたい路線です。

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廃止が決まっている石勝線、夕張支線。

沿線は秘境地帯というわけでもなく、終点の夕張も一応観光地ではありますが、それでも利用客の少なさは北海道の中でも指折りだったようです。夕張市の栄枯盛衰を見届け、役目を終えることになりそうです。

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復旧が断念された日高線にある静内駅。新ひだか町の代表駅。

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復旧が断念された日高線の車窓。どこまでも青い太平洋は、息をのむほど美しい。

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維持困難とされた宗谷本線にあり、かつ廃止が検討されている雄信内駅。宗谷本線では数少ない、木造駅舎の残る秘境駅。

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維持困難とされた宗谷本線にあり、かつ廃止が検討されている糠南駅。周囲には一面の原野が広がる秘境駅。

最北の路線も維持困難とされました。また、その途中駅の多くも廃止が検討されており、廃止検討の対象は、北比布、塩狩、北剣淵、日進、北星、南美深、紋穂内、豊清水、天塩川温泉、筬島、歌内、糠南、雄信内、安牛、南幌延、上幌延、下沼の実に17駅。これらの駅がすべて廃止されれば、もはや特急のみ走らせておけば良いような状況です。

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維持困難とされた根室線の車窓。クライマックスは何もない丘陵地帯を海を望んで走る。

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維持困難とされた根室線にあり、かつ廃止が検討されている初田牛駅。周囲に家は無く、利用者は僅少。

根室線も利用者の多い都市近郊を除き、ほぼ全線が維持困難路線。特に末端の通称花咲線は、いかにも北海道らしい雄大な景色を走る、風光明美な路線です。

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今日で正月休みも終わり。明日からまた慌ただしい日常生活に戻りますが、今年こそはまた北海道の鉄道でのんびり旅をしたいものです。。
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2017/01/03 Tue. 15:01 | trackback: 0 | comment: 0edit

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